資料と解説

1-14 法制局内の憲法改正問題に関する検討

1945(昭和20)年9月中旬、法制局内で憲法改正問題を検討した際の事務文書類。東久邇宮内閣は、総司令部からつぎつぎに発せられる指令への対応に追われ、憲法問題にまで考えが及ばなかった。一方、憲法改正問題の重要性を認識した法制局第一部長の入江俊郎は、自ら起案した「終戦ト憲法」を少数の参事官に配布し、これを機に憲法問題の研究が進められた。法制局では、各参事官がそれぞれの考えをまとめ、これをもとに数回の部長会議で意見交換を行ったが、当時は内閣が内政面について積極的ではなく、村瀬直養法制局長官も憲法改正問題は慎重に扱うよう指示していたことから、この予備的研究は、幣原内閣発足直後に設置される憲法問題調査委員会の下準備的性格を有するものとなった。

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