開館70周年記念展示「本の玉手箱―国立国会図書館70年の歴史と蔵書―」
開館70周年記念展示「本の玉手箱―国立国会図書館70年の歴史と蔵書―」
当館は、戦後新たに「日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として」(国立国会図書館法前文)、昭和23(1948)年6月5日に開館した。国政課題に関する調査を担当する調査及び立法考査局、国内刊行物の網羅的な収集のための納本制度、行政及び司法各部門支部図書館が当初から設けられたほか、独自の分類表の作成、国内外の機関との連携など、しだいに唯一の国立図書館としての形を整えていった。この間、昭和36(1961)年に本館庁舎が、昭和61(1986)年に新館庁舎が開館した。
昭和23(1948)年、赤坂離宮で業務を開始した際に掛けられたものと思われる。
米国図書館使節報告
U.S. Gov. 1948【021.01-Ul69r】
昭和22(1947)年12月、V・W・クラップ、C・H・ブラウンが米国図書館使節として来日した。展示資料は、同使節が、衆議院図書館運営委員長中村嘉寿(なかむら かじゅ)、参議院図書館運営委員長羽仁五郎(はに ごろう)らと協議し、新しい当館の基本的構想について明らかにし、まとめた報告書である。
ダウンズ報告
〔連合国最高司令官〕総司令部民間情報教育局 編 国立国会図書館〔訳〕国立国会図書館 昭和23(1948)年【a014-2】
昭和23(1948)年7月7日、目録作成作業について助言を与える専門家として、ロバート・B・ダウンズが連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)特別顧問となって来日した。この『ダウンズ報告』によって、和漢書には日本十進分類法改訂版を、洋書にはデューイ十進分類法を使用すること、閲覧目録を作成すること、印刷カードを頒布することなど、当館の整理方針が決定づけられた。
初の立法調査資料
国立国会図書館調査及び立法考査局 昭和23(1948)年【EG1-G70】
昭和23(1948)年、国会への奉仕を任務として新たに設置された調査及び立法考査局は早速、次期(第3回)国会に向け、立法調査に着手した。展示資料はその最初の成果として国会議員に配布された「国調立資料B」(謄写刷)第1号である。同年度中に「国調立資料A」(活版刷)2冊、「国調立資料B」31冊を刊行した。
納本制度とともに
国立国会図書館受入部 編 国立国会図書館管理部 昭和23(1948)年9月【Z025.1-N1】
展示資料は、新たに定められた納本制度(国立国会図書館法第25条)によって、当館に納入された新刊図書などの目録として刊行された。初号は納本された新刊図書953冊のほかに、寄贈図書、特殊出版物(楽譜、地図など)を収め、新着図書速報の役割も兼ねていた。のちに『納本週報』『日本全国書誌』などへと変遷していく。
仮住まいのおわり
昭和36(1961)年【Y111-J2554】
昭和36(1961)年、永田町庁舎の第1期工事が竣工した際の記念小冊子。小冊子から転載した右の写真は、建物南面(国会議事堂側)の威容に対し、遠く占領軍施設跡の空地が広がり、ややアンバランスな光景を示す。赤坂・三宅坂・上野に分かれていた当館はここに本拠を得た。全館完成は昭和43(1968)年のことである。
四半世紀後の新館完成
新建築 61巻11号 新建築社 昭和61(1986)年11月【Z11-343】
本館第1期工事が竣工した25年後、昭和61(1986)年に新館が完成した際の雑誌記事。地下は1階から8階まですべて、東西約136m、南北約43mの書庫となっている。しかし資料の増加は著しく、さらなる収蔵スペースの確保などを目的として平成14(2002)年に関西館を開館させる。
建物の魅力、今もなお
Casa Brutus 201号 マガジンハウス 平成28(2016)年12月【Z6-B762】
当館の建物は、しばしばテレビや雑誌で取り上げられる。新館書庫にある吹抜け「光庭」に、アイドルグループ嵐の櫻井翔も訪れた。「うぉなんですか。一体ここは……!」との感想も。