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2-12 帝国議会の開幕
大日本帝国議事堂内部
(上)初代の貴族院議場
(下)第2代の貴族院議場
(東京都写真美術館所蔵)
第1帝国議会は民党と吏党の対決構図の中で開幕する。とりわけ予算審議は難航したが、大成会(吏党)の議員が提出した「予算削減に関し、事前に政府の同意を求める緊急動議」に、植木枝盛ら一部の民党側の議員が賛成に回って予算案の通過をみた。この背景には立憲国家日本の行方を注視していた諸外国への配慮もあったといわれる。
動議成立後の明治24(1891)年2月23日付の伊藤博文宛書翰の中で井上毅は自由党中「旧愛国公党の22人」が分裂することに「一致記名」した旨を伝え、「明治政府之運命之強き事驚く而已」と安堵の気持ちを綴っている。