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4-12 大政翼賛会
大政翼賛会最初の臨時中央協力会議の開会式 『翼賛国民運動史』所収
昭和15(1940)年7月22日に第2次近衛文麿内閣が成立し、8月28日からの新体制準備会で国民運動の実行・指導・推進を担う組織の具体案が審議され、10月12日に大政翼賛会が発足した。総裁は首相が兼任し、国民を大政翼賛運動に組織すべく、中央本部、道府県・市町村の支部、そして中央・地方に協力会議を設けることが定められた。しかし、「革新派」に加えて旧政党など既成勢力をも抱合する「呉越同舟」の組織のため運営は難航し、「大政翼賛会実践要綱」が発表されたのは、発足から約2ヶ月も後であった。さらに、同会は「近衛幕府」「違憲」との批判や、地方の組織化を担当していた内務官僚からの反発などにより、翌年2月に公事結社と認定されて政治活動を禁止された。同会は内務省主導の行政補助機関へと改組され、「一大強力政党」実現を目指した「近衛新体制運動」は挫折した。
大政翼賛会実践要綱
- [昭和15年12月14日]
- 中原謹司関係文書 81
- 国立国会図書館