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3-13 男子普通選挙法の成立と治安維持法
治安維持法反対のデモ 『日本百年の記録 写真図説』第2巻所収
普選運動は、原内閣による選挙権の拡大や運動の担い手間の対立などから一時沈滞を招いたが、大正11(1922)年の第45議会で野党統一普通選挙法案が提出された。一方、加藤友三郎内閣では衆議院議員選挙法調査会が設置され、短命に終わった第2次山本内閣が普選採用を声明するなど、政府でも普選実現へ向けた動きが見られた。そして、第2次護憲運動で成立した加藤高明内閣の下で、憲政会、政友会、革新倶楽部の与党3党により「三派普選委員会決定案」が作成され、大正14(1925)年3月に普通選挙法案(男子普選案)が成立した。
この改正で長年の懸案であった納税要件は撤廃された。しかし、一方で枢密院などからの要求を受け入れ、「公私の救恤を受ける」者へは選挙権を付与しない規定を盛り込み、また、普選法の成立と引き換えに共産主義対策として治安維持法を成立させた。
三派普選委員会決定案
- 大正13年
- 小川平吉関係文書 792
- 国立国会図書館
治安維持法閣議決定書
- 大正14年2月
- 国立公文書館
- 「公文類聚」第四十九編第三十三巻所収