第1回衆議院議員選挙で当選した人々
明治23(1890)年7月1日火曜日に第1回衆議院議員選挙が実施されました。日本初の総選挙の投票率は93.7%でした。選挙権は直接国税を15円以上納税した25歳以上の男子に限られ、被選挙権も同額の国税を納税した30歳以上の男子とされていました。この時の有権者は人口の約1.1%程だったといわれます。 ここでは、第1回衆議院議員選挙で当選した人々の一部をご紹介します。
大江 卓
岩手県5区宮城 浩蔵
山形県1区河野 広中
福島県3区田中 正造
栃木県3区高田 早苗
埼玉県2区楠本 正隆
東京府1区津田 真道
東京府8区島田 三郎
神奈川県1区中島 信行
神奈川県5区長谷川 泰
新潟県5区杉田 定一
福井県2区江原 素六
静岡県7区尾崎 行雄
三重県5区杉浦 重剛
滋賀県1区大東 義徹
滋賀県3区伊庭 貞剛
滋賀県3区相馬 永胤
滋賀県4区中江 兆民
大阪府4区陸奥 宗光
和歌山県1区犬養 毅
岡山県3区中野 武営
香川県1区林 有造
高知県2区片岡 健吉
高知県2区植木 枝盛
高知県3区松田 正久
佐賀県1区元田 肇
大分県1区長谷場 純孝
鹿児島県3区
45府県で実施された選挙は、214選挙区の大半を1人区が占める小選挙区制でした。現在のような立候補を届ける制度がないため、有権者は選挙に名乗りを挙げていない人にも投票できました。選挙の結果は、各地で自由民権運動を展開した旧自由党や立憲改進党が勝利しました。当選者には豪農など地元の有力者が多く、一方で無所属の当選者には官吏出身者も多かったようです。
総選挙で当選した各派は、大成会を代表とする政府寄りの「吏党」と、立憲自由党(旧自由党・旧大同倶楽部・旧愛国公党各派が結集)と立憲改進党の「民党」に分かれ、明治23(1890)年11月の第1回帝国議会に臨みました。