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水野直
大正11(1922)年5月10日
一、夜黒田子訪問。一、郷男爵本日来訪の由。訴訟の件は中止、理由書の発表も見合はす事、尚友会に入会して華族統一に賛成。
黒田邸を水野直が訪問したとき、公正会(男爵議員を中心とする貴族院の会派)設立の中心人物であった郷誠之助(ごうせいのすけ)男爵が尚友会(子爵議員を選出する団体)に入会して、華族統一に賛成を表明したことを記しています。このとき、郷は水野が設立にかかわった親和会(貴族院内の会派)にも参加し、実質的に公正会とその選挙母体である協同会の切り崩しをねらったもので、「大研究会」構想の布石であったことを示唆しています。