国立国会図書館憲政資料室 日記の世界

長崎省吾:明治27(1894)年4月17日の日記より

長崎省吾

明治27(1894)年4月17日

バチカン見物  海外

「サン・ポーロ」寺は、「タイバー」河畔にあり。彼の耶蘇[ヤソ]の高弟「セント・ポール」の墳墓の地に、「サン・ピエトロ」寺に均しき伽藍[がらん]を建築せんとて、法王の勧誘に依り「コンスタンチン」大帝の起工したる所なり。後歴代の帝王法王等は、切[しき]りに荘厳なる修飾を施し、羅馬[ローマ]寺院中最美最麗最大なるものとなりたり。

ローマやバチカン見物をした折の日記です。バチカンのサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂(Basilica di San Paolo Fuori le Mura)は、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世(Constantinus Ⅰ)により聖パウロ(Paulo)の墓の上に建てられた聖堂で、以後、歴代の皇帝法王等により装飾が施され、ローマの教会の中で一番壮麗なものとなったと記録しています。