石黒忠悳
明治20(1887)年10月8日
汽車の中の反省会 海外
〇九時停車場より発車す。〇車中三人の懺悔[ざんげ]話あり。奇極る。例により森最も多罪、石黒これに次ぎ、谷口割合に少なり。
カールスル―エ(ドイツ)で開催された第4回赤十字国際大会、ウィーンの万国衛生デモクラフィ―第6回会議に出席した帰路の汽車の中で、石黒、森林太郎(後の鴎外)、谷口謙(たにぐちゆずる)の3名がそれぞれの行動についての懺悔話をしました。「例により」とあることから、しばしば懺悔話をしているようで、今回も3名の中では、森が一番多いと石黒は書いています。