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石黒忠悳
明治21(1888)年7月5日
森林太郎、愛の別れ 海外
〇車中、森はその情人の事を語り、為に愴然たり。後互に語なくして仮眠に入る。
石黒は前年の明治20(1887)年、国際会議参加等のためドイツに出張し、明治17(1884)年からドイツ留学中の森林太郎(後の鴎外)が通訳官として現地では随行しました。その際の森の活躍は有名です。2人は翌明治21(1888)年7月5日に帰国のためにベルリンを発ちました。その車中で、石黒は後の小説『舞姫』のモデルとなる女性との関係を森本人から直接聞きました。