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水野直
大正5(1916)年1月15日
世襲財産の改正案と第37帝国議会 帝国議会
本日まで議院休会。世襲財産小委員会、岡野、富井、奥田三博士修正の案を提出、宮内省側吉田平吾氏の意見あり。研究会大蔵部会、市来、神野両局長の説明あり。追加予算に干[関]し、三千八百万円募債と還元説との説明。
華族の世襲財産について、岡野敬次郎、富井政章、奥田義人3名の法学者が、改正案を提出しました。この後当主の意志で世襲財産解除ができるようになります。また第37帝国議会において、反大隈派は、明治39(1906)年日露戦争の戦費調達のために臨時費に充てる公債発行を付帯条件付きで認めたことに対し、大隈内閣がこの付帯条件を守らない予算を計上したことを貴族院で取り上げて、政府を追及しました。付帯条件とは、経済が好転した暁には、減債基金に繰り入れを行うというものでした。当時の大隈内閣は国民の支持を失いつつあり、水野が所属する研究会は少壮議員を中心に強硬な態度に出ていました。