勝海舟
慶応4年1月11日(1868年2月4日)
鳥羽伏見の戦いが終わって 戊辰戦争
初て伏見の顛末[てんまつ]を聞く。会津侯桑名侯ともに御供中にあり。その詳説を問はむとすれども、諸官唯青色、互に目をもってし、敢[あえ]て口を開らく者なし。
慶応4(1868)年1月に鳥羽伏見の戦いが勃発します。敗れた徳川慶喜(とくがわよしのぶ)は会津藩主松平容保(まつだいらかたもり)、桑名藩主松平定敬(まつだいらさだあき)を伴って江戸に帰還しました。勝は、同行してきた幕臣等に詳細を問い詰めますが、口を閉ざしている様子が記されています。